離婚後の各種申請手続き
離婚後の各種変更手続き
離婚が成立すると、戸籍や姓が変わることから様々な手続きが必要となります。
ここでは、離婚後の手続きを忘れてしまわないように、代表的なものを簡単にまとめました。
健康保険・年金の変更
配偶者の扶養家族として健康保険や厚生年金・共済組合に加入していた人は、自分で健康保険に加入し、国民年金の種別変更をする必要があります。
国民健康保険に加入するには、市区町村役場に、それまでの健康保険の資格喪失証明書を提出します。国民年金の種別変更は、国民健康保険の手続きと同時に行います。
給与所得があり、すでに社会保険や厚生年金に加入している場合でも、扶養変更や姓・住所の変更は必要ですので、勤務先に必ず届ましょう。
児童手当・児童扶養手当、ひとり親家庭等の医療費助成
児童手当については、養育の状況により、①受給事由消滅届、②認定請求書、③住所変更届、④印鑑、⑤養育者名義の預金通帳、⑥養育者の健康保険の写しなどが必要になります。
児童扶助手当の申請には、①離婚後の戸籍謄本(親子両方のもの)、②住民票、③申請者名義の預金通帳、④印鑑、⑤所得証明書(必要のない場合もある)を持って、市区町村の窓口に申請します。
ひとり親家庭等の医療費助成についても、同時に申請しておくとよいでしょう。
銀行口座
児童扶養手当等は、原則として銀行口座に振り込まれます。
したがって、離婚によって姓が変わった場合は、①新しい姓と住所がわかる運転免許証などの身分証明書、②新しい姓で作った印鑑を持参し銀行の窓口で手続きをします。
口座をつくった支店以外でも名義変更は可能ですが、他支店での手続きの場合、様々な確認作業が発生するため、手続きが終了するまでに1週間程度の期間がかかります。
運転免許証
姓や住所の変更は、免許証センターに行かなくても、新しい住所地の警察署で手続きをすることができます。
ただし、離婚後に住居地が同じ都道府県内であれば新しい戸籍(本籍地)が入った住民票を1通用意するだけで済みますが、他の都道府県から転居した場合は、申請書の写真が1枚必要になることがあります。
変更事項は免許証の裏に記載され、次の書き換え時に新しい名義などが記載された免許証が交付されます。
扶養控除の変更
扶養家族がいなくなった場合は、勤務先に被扶養者異動届を提出する必要があります。
それに伴い、所得税や住民税など税金の扶養控除と、勤務先によっては扶養家族手当がなくなります。
子どもの扶養控除・扶養手当については、離婚後も継続します。
しかし、控除を受けられるのは片方の親だけで、双方が子どもの養育にお金をかけていたとしても、扶養控除を半分ずつ受け取ることはできません。
したがって離婚の際には、どちらの親が扶養控除を受けるのかを決めておく必要があります(どちらも扶養控除を受けた場合、処罰の対象となります)。
クレジットカード
クレジットカードの名義変更は、カード会社に名義変更届出用紙を送ってもらい、必要事項を記入した上で、新たな姓で作った印鑑を捺印。
書類を返信用封筒に入れて送り返せば手続きが完了します。
ただし、利用料金の引き落とし口座が必要なため、新たな銀行口座を作った後に手続きをしないと煩雑な手続きになるので注意が必要です。
先に銀行口座の名義変更を行い、新しい口座番号を引き落とし口座として記入してから返送しましょう。
自動車
自動車の名義変更(移転登録)は陸運局が窓口です。元配偶者の名義だった自動車を自分の名義に変更するためには、さまざまな書類が必要になります。
所有者であった元配偶者に用いしてもらうものは、①譲渡証明書、②印鑑証明書、③車検証、④住民票、⑤戸籍謄本、⑥委任状です。
本人が用意するのは①印鑑証明書、②車庫証明書、③収入印紙500円です。また、ナンバー変更をする際には自動車そのものを持っていく必要があります。
その他、様々な手続きが想定されるため、自動車の移転登録は行政書士や代行業者に依頼した方が合理的です。
印鑑登録
姓で印鑑登録をしていた場合、その姓が変わることで印鑑登録は廃止扱いになります。
したがって、姓を変更する場合また住所を変更する場合は、新たに印鑑登録の手続きを行う必要があります。
なお、他の市区町村に転居した場合は、新しい居住地で手続きを行います。
パスポート
氏名や本籍の都道府県を変更するときは、有効期限10年または5年の新たなパスポート(切替申請)か、手持ちのパスポートと同一残存有効期限のパスポート「記載事項変更旅券」の発給申請をします。
申請に必要な書類は、①一般旅券発給申請書(記載事項変更用)1通、②旅券の記載に変更を生じたことが確認できる戸籍謄本、または抄本1通、③住民票の写し1通、④写真1枚、⑤現在持っているパスポートです。
生命保険の変更
生命保険の契約にあたり、加入形態で最も多いのが、「夫が生命保険に加入し、妻が受取人になる」というケースです。
生命保険の名義を変更する場合は、保険会社から変更届を取り寄せ、変更の手続きを行います。
添付書類として印鑑証明書が必要になるのが一般的ですが、契約者の変更だけなら、訂正承認書類に新しい姓や住所の分かる本人確認書類を添えるだけで認められるケースもあります。
なお、夫(妻)の保険に妻(夫)の保障をつける夫婦型の保険に加入していた場合、離婚すると妻(夫)の保障は消滅します。